大判例

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東京地方裁判所 昭和59年(ワ)3925号 判決

【事実及び理由】

一原告が陳述した訴状には、別紙訴状目録どおりの記載がある。

右訴状の記載及び弁論の全趣旨によれば、原告の請求の趣旨は、原告と被告らとの間において、原告が訴状添付の別紙目録に記載された題名の詩のそれぞれの一部についての歌詞の著作権が原告にあることの確認を求める、というものであり(なお、訴状請求の趣旨第二項は、被告ら本人尋問を求める趣旨と解される。)、その請求の原因は、右各歌は、昭和三六年から昭和四二年二月までの間に原告が作詞したことにより右各歌詞について著作権を取得したというものであることが明らかである。

原告は、原告本人尋問の結果を援用し、乙第一号証は知らない、と述べた。

被告ら訴訟代理人は、主文同旨の判決を求め、請求の原因は否認する旨述べ、乙第一号証を提出した。

二よつて検討するに、原告本人尋問の結果中には、原告が昭和三六年ころから、逐次、「こんにちは赤ちゃん」、「瀬戸の花嫁」、「漁火恋唄」、「春の訪れ」、「ひなげしの花」、「男の子女の子」、「雨」と題する詩を作詞し、これを義父である訴外沖山伝に書き取らせた旨の部分があるが、反面、これらの作詞は、「すべて書かないで頭の中で考え始めた」ところ、「こんにちは赤ちゃん」が歌われはじめたとの部分があつて、互いに矛盾しており、右原告本人尋問の結果によつては、はたして、原告が作詞したと主張する右の題名の詩が原告の著作物として認めることができる程度に外部に表現されたかどうか明らかでなく、この点についての原告の主張を認めることができない。さらに、原告が作詞したと主張する「雪明りの町」と題する詩については、右原告本人尋問の結果においても何ら触れられていない。また、他に原告が右のそれぞれの詩について作詞をしたとの主張を認めるに足る証拠もない。

三したがつて請求原因事実を認めることはできず、原告の請求は理由がないことになる。

(元木伸 飯村敏明 高林龍)

別紙訴状目録

請求の趣旨

一 被告は音楽著作権協会に承認されている、別紙目録の作詩権の取り下げをする事。

作詩権が原告にある事の確認を求める。

一 本人の出頭を求める。

一 訴訟費用は被告の負担とします。

請求の原因

一 昭和三十六年より昭和四十二年二月までに三鷹市上連雀八二の旧所在地にて作詩した。

一 その場での盗作行為があることを知り詩を作るのをやめましたので、詩未完成と題材があるのはそのためです。

一 当時の証拠となる詩のメモはあるかと問われますが、メモをして置くことはわかつている事ですが盗作行為を少なくくいとめるため書いて置かなかつたが、やはりほとんど盗作されていました不思議な事件です。

別紙目録

こんにちは赤ちゃん 作詩三番まで

永六輔

瀬戸の花嫁 作詩二番まで 山上路夫

漁火恋唄  〃 〃    〃 〃

雪明りの町 コマ子の唄 一部作詩

〃 〃

春の訪れ  題材と一部作詩 〃 〃

ひなげしの花 〃  〃   〃 〃

男の子女の子 作詩一番と二番一部

岩谷時子

雨     〃 二番まで 千家和也

雨の作詩は沖山伝が書いて、芸能関係を知つている人がいるから頼んで来るといつてその二日〜三日後に持つて出掛けたことはたしかな話しです。

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